砂浜の瓶詰め

砂浜を瓶に詰めて、わたしだけの小さな海を作りたい。ハワイの有益な情報はほとんどありません。

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

終焉の朝に

今日、最後の箱を捨てた。 毎年12月の暮れになると我が家に届く、小さな八つの箱。中身は二週間用のコンタクトレンズである。片目ずつ度数が違うので、全く同じ箱が四つずつ。箱の中では6枚の薄っぺらいレンズが、滅菌された平べったい海の中で選ばれる時を…

強くなりたい

岡本太郎は言った。自分の姿をありのまま直視する、それは強さだーーと。 女性としては、この令和の世の中においてもなお、少しくらいか弱い方がいいのかもしれないけれど、この世界の荒波を一人で生き抜いていくには強さが必要だ、体も心も。最近は体重と血…

享楽の銀河

半年以上ぶりに、宇宙を旅してきた。 今年の5月4日、人生で初めてスターウォーズを鑑賞したことが記憶に新しすぎて、まさかあれからそんなに時間が経ったとは俄かに信じ難い。 宇宙を駆ける名作 - 砂浜の瓶詰め 歳をとるにつれて一年がはやく感じるというが…

エルム通りに花束を

人の営みに、心を動かされる。 そう気づいたのは、本当に最近のことである。当たり前といえば当たり前である。ここでは、人が生きていた、生きている、あるいは生きようとしていることを「営み」と定義したいのだが、そういう息遣いを感じられるモノに、空気…

水兵服に恋して

セーラー服を着てみたい人生であった。 それだけ言うと、完全に変態の発言になるが、セーラー服には並々ならぬ欲求がある。というのも、小学校から高校までの十二年、制服がセーラー服だったことがないのである。香川県以外の方には馴染みがないと思うが、香…

夢か現か

夢日記をつけると気が狂う。 まことしやかに囁かれているが、本当だろうか。都市伝説の域をでないようにも思えるが、なんでも毎日みた夢を日記にしたためていくうちに、夢と現実の区別がつかなくなって奇行に及んだり、心を病んでしまったりすることがあるら…

哀しき脳

人生は出会いと別れの連続である。 情熱的に囁き合った愛がいつしか煮えたぎる憎悪に変わることもあれば、邂逅の果てに一生の絆が生まれることもある。特にドラマチックな人生を歩んでいなくとも、そういったことは起こる。 こんな話を聞いたことがある。実…

ゾンビについて本気出して考えてみる

走るゾンビを許せるか、という永遠のテーマがある。 ゾンビ映画は割と好きで、かなりの本数見てきたと思う。王道からB級まで、大きなハズレがないのもゾンビものの特徴だ。逆にいうとなんとなく映画の中で起こることが想像できるというのも同じくゾンビもの…

忘れ草

煙草を吸ってみたい、と思った。 左手の人差し指と中指に煙草を挟んでみたい。そのとき、爪は長く深い赤で塗られている。そしてぴったりとした黒いレザーのワンピースに漆黒のピンヒール。情事の後を思わせる乱れた髪の間から見える伏し目がちの目は白い肌に…

恐怖論

物心ついたときには、すでにホラーが好きだった。 というと流石に誇大広告であるが、割と小さいときからホラー好きであったことは間違いない。「ホラー」というよりむしろ「こわいおはなし」だったであろうが、小学生の頃には既にレジェンドホラー漫画家であ…

帰路の一コマ

放置プレイもここに極まれり。 ブログの存在を忘れていたわけでも、日々が目が回るほど忙しかったわけでもないのに、更新がすっかり止まってしまっていた。毎日はほぼ同じことの繰り返しで、朝起きてから夜寝るまでの間に文字通り特筆すべきこともなかったの…