砂浜の瓶詰め

砂浜を瓶に詰めて、小さな海を作りたい。ハワイの有益な情報はほとんどありません。

何と言っても麺が好きだ。

身の回りで麺類が苦手という人をあまり聞いたことがないのは、私が泣く子も黙るうどん王国で生まれ育ったからだろうか。そこではうどんは離乳食であり、主食であり、祝膳であり、病人食であり、おやつであり、そして老人食でもある。文字通り、生まれてから死ぬまで、うどん王国民はうどんを食べ続けている。年越し蕎麦など食べようものなら、秘密警察に密告されて監獄行きである。流石にそれは嘘である。しかし、うどん王国民の多くは年越しうどんを食べているであろうことは想像に難くない。県外屈指の商店街では、マクドナルドの向かいにうどん店ができたところ、なんとマクドナルドが駆逐されてしまった。空港にはうどんの出汁が出る蛇口があるし、県のゆるキャラは「うどん脳」である。これらは全き真実である。あまりにもうどんばかり食べるせいで、うどん王国民は糖尿病の罹患率が高いらしい。悲しいかな、これも真実である。私がホラを吹いていると思うなら、ぜひググっていただきたい。

18歳でうどん王国から脱出し、上京したとき、あまりのうどん屋の少なさに驚いた。そして、関東風うどんという全く未知の存在に慄いたものである。一方で、ラーメン屋の多さにも圧倒された。そしてそこからラーメンにハマり、大学でできた友人が無類の麺好きであったことから麺屋巡りにハマり、増え続ける体重に驚愕しつつ、一時はラーメンブログをやったりしていた。いまだにラーメンとつけ麺には目がなく、ハワイ内のラーメン屋を制覇することを目標に日々を生きているのである。

そういえば、ハワイにはそれなりに多くのラーメン屋がある。どのお店もそれなりに繁盛していうようにお見受けするし、RAMENといえばSUSHIについで人気の日本食だと思う。一方、残念ながらうどん屋はさして多くはない。社内では「全世界で」トップクラスの売り上げを誇る丸亀製麺ワイキキ店はいつも長蛇の列であるが、それ以外にうどんを大きく掲げている店はパッと思いつかない。ここでもまた余談であるが、丸亀製麺は香川県丸亀市にちなんだ名前と拝察するが、本社はうどん王国内にはない。そのせいか、王国民からの支持は高くはなく、現在は王国内にたった1店舗しかないらしい。

話を戻そう。まだまだハワイでのうどんの周知活動が足りないのであろうか。残念なことに、私は香川県出身でハワイに住まれている方をたった一人しか存じ上げない。もしこのブログを見ているあなたが、もしくはあなたのお知り合いが、香川県出身であるならば、ぜひ共にうどんの普及活動を行おうではないか。緑の県章の旗を掲げ、いざハワイ讃岐化計画である。気候は似たようなものだし、同じ島国同士、仲良くやっていけるはずである。

話があちこちに飛ぶのはどうも悪い癖である。私が本当に語りたかったのは、決して郷土愛ではなく、麺類愛だったはずだ。よくよく考えると、私はさほど地元への愛情は強くない。強ければ、遠く離れたここにいるはずがないのである。何が言いたかったかというと、私はとにかく麺類が好きだということである。そしてその麺類はなかなかに奥深く、たかがブログの一記事ではまとめられないので、追々ちまちまと語っていきたい。そういう熱意が私にはあるのだ。そうすることで、かつてインターネットの藻屑となった私の幻のラーメンブログも報われるのである。それが私の伝えたいことであった。

著者の伝えたいことを読み取り、20字以内でまとめられただろうか。もしできたなら、きっとあなたは現代文で満点を取れる。是非とも大学受験に挑戦してほしい。夜食には、鍋焼きうどんをお持ちしよう。脳みそがうどんになってしまう前に、無事合格することを心より祈っている。