砂浜の瓶詰め

砂浜を瓶に詰めて、小さな海を作りたい。ハワイの有益な情報はほとんどありません。

開かずの水筒

常夏の島も、ぐっと寒くなった。

と言っても、まだまだ半袖短パンでも十分生活できるし、日中の日差しは相変わらず刺すように強いので、当島比で寒くなったというだけで、十分暖かい。しばらく歩くと汗ばむことには変わりない。暑がりの上に徒歩通勤の私にとってはまだまだ快適とはいえない天気が続いている。

体には非常に良くないことは承知の上で、私はキンキンに冷えた水が好きだ。こう見えて意外とソーダの類は飲まないのだが、炭酸水も、お茶も、紅茶も、できればしっかり冷えていてほしい。欲を言うと、氷を入れて冷えた飲み物ではなく、飲み物そのものが冷えているととても嬉しい。冷たい飲み物を控え、常温あるいはあたたかい飲み物を飲むことは美容と健康への第一歩であることは重々承知の上で、それでも美容と健康を犠牲にしても冷たい飲み物を飲みたい。食道がスッキリするような、血液が浄化されるような、何とも言えない爽快感の虜なのである。

そんなわけで、自宅の冷蔵庫の三分の一は飲み物が占めている。水、炭酸水、緑茶、時々ビール。二日酔い対策に数本のスプライト。飲み物エリアを決めて、そこには常に冷えた飲み物が常駐できるよう気を配っている。昔は飲み物専用の小さい冷蔵庫を持っていた時期もあったほどだ。ハワイの水道水は、日本には劣るものの安全で、そのまま飲むこともできるらしいが、どうも私のお腹には合わないようなので割高ではあるがミネラルウォーターを購入している。ペットボトルの緑茶は高級品なので、ティーバッグで自分で淹れて、それをわざわざ冷やしている。

先日、ダイソーに行った際に、横置きできる冷水筒という素晴らしいものを見つけて早速購入した。見た目は透明のプラスチックでできた四角い飲み物を入れる容器だ。ダイソーでは高い方だったが、これがあれば自家製緑茶を入れても冷蔵庫の省スペースにつながるだろうと思ったのだ。注ぎ口が二重構造になっていて、なるほど横においてもこぼれなさそうだーと思ったのも束の間。注ぎ口の開け方はわかるものの、蓋そのものが開かないのである。引っ張ってみたり、回してみたり、色々試してみたものの、開く気配すらない。一瞬、開かない仕様なのかとも思ったが、どうみても開きそうなのである。そもそも開かなければ中に液体を入れることは不可能だろう。無理をすると注ぎ口の方が壊れてしまいそうなので、とりあえず一旦そのアイテムのことを忘れることにした。

そして時が経って、はたと思い出した。冷蔵庫の上に放り上げていたそいつと目があったとも言える。せっかく買ったのだから、使ってやらねばなるまい。そして重い腰を上げ、まずはグーグル教授に尋ねてみた。腰を上げるほどのことでもなかった。すると「ダイソー 横置きできる冷水筒 開け方」がサジェストのトップにあった。さっさとググればよかったのだ。ところが、「反時計回りに回す」と書いてあるだけである。それは注ぎ口の開け方で、それはとっくに知っているのだ。私が知りたいのは蓋の方の開け方なのだ。この蓋が開かないことには、液体を入れるのは非常に難しそうだし、隅々まで洗うことも簡単ではなさそうだ。

結局、色々と探してみたものの、今のところ蓋の開け方にたどり着けていない。私の探し方が悪いのか、そもそもこの蓋は開かない仕様なのか、それすら分かっていない。そしてまた、見るもの嫌になってきて今度はキッチンの棚の中にしまった。こうして我が家の七不思議がまたひとつ増えてしまった。開かずの冷水筒である。

今度ヤツと目が合うのはきっと、滅多に使わないパスタ鍋を引っ張り出すときだ。そのころにはきっと、季節は七不思議が似合うまでに移ろっていることだろう。

 

今週のお題「最近飲んでいるもの」